第9回定期演奏会 曲目解説

第1部
◆マンドリニストの生活(作曲:J.B.コック)
 コックはオランダの作曲家で『マンドリニストの生活』はマンドリン合奏用に作曲された曲です。この曲はファンファーレ音型で開始され、全体としては楽しい行進曲となっています。マンドリニストの生活はこんなに明るく楽しいのか?という疑問は演奏を聴いていただければわかります(笑)

◆優美なセレナータ(作曲:A.アマディ)
 アマディはイタリアの作曲家でマンドリンの為の曲を数多く作曲しています。この『優美なセレナータ』はワルツのテンポでと指定されており、伸びやかで上品で美しいマンドリン合奏の小品です。ゆとりある、ひとときをお過ごしください。
 
◆ナポリ(作曲:E.メッツァカーポ)
 メッツァカーポはイタリアのマンドリニストで作曲家としてもマンドリン合奏曲を書いています。この『ナポリ』はイタリアの舞曲タランテラ(6/8拍子の速い舞曲)で、リズムに乗って演奏されます。 

◆アンダンテ・カンタービレ(作曲:P.I.チャイコフスキー)
 題名は知らなくても、聴いたことがあるという曲があります。ロシアの作曲家チャイコフスキーが作曲したこの曲も、そんな一曲かもしれません。『アンダンテ・カンタービレ』という名前で知られている曲ですが、原曲は弦楽四重奏第1番の第2楽章です。この楽章だけが、いろいろな楽器編成で編曲され数多く演奏されています。 曲は民謡風の主題が厚い響きで演奏されます。中間部は少し速くなり別の主題が歌われ、その後、最初の主題がもどり、最後は消えるような祈りで終わります。アンダンテ・カンタービレというのは『歩くような速さで歌うように』という、この楽章の音楽記号なのですが、そのまま曲の題名になってしまうほど、この曲は歌にあふれています。

◆ソナタ イ短調(作曲:久保田孝)
 マンドリン界で現在も活躍されている久保田孝氏の比較的初期のマンドリンオーケストラの為の作品です。第1楽章(Allegro)はバロック風の曲。第2楽章(Adagio)は静かな中にも感情がこもった曲。第3楽章(Allegro)は動きのある曲。と3楽章からなる新古典派風の曲で、全ての楽章がピッキング奏法での演奏となっています。


第2部
◆チャップリン映画音楽メドレー(作曲:C.チャップリン 編曲:平井朗)
 喜劇の世界から映画の世界へ、俳優、監督、脚本、作曲も一流のチャールズ・チャップリン。今回はチャップリンが作曲した名曲を5曲メドレーでお届けします。
1曲目・・・映画『犬の生活』より グリーン・ランタン・ラグ。
2曲目・・・映画『モダンタイムズ』より スマイル。
3曲目・・・映画『伯爵夫人』より 愛のセレナーデ。
4曲目・・・映画『ニューヨークの生活』より マンドリン・セレナーデ
5曲目・・・映画『独裁者』より ナポリ行進曲

◆首の差で(作曲:C.ガルデル 編曲:平井朗)
 カルロス・ガルデルが作曲し、自身で歌って大ヒットしたアルゼンチン・タンゴの名曲です。この曲名は『首の差で振られた・・・』という失恋した時の心情を競馬に例えて名付けたとのことです。映画やCMでもよく使用されるので、一度は耳にしたことのある曲かもしれません。

◆カルメン組曲より7曲(作曲:G.ビゼー 編曲:平井朗)
 カルメンはビゼーが作曲した有名なオペラで、魔性の女性カルメンに惑わされたドン・ホセが破滅の道をたどるというあらすじです。このオペラでのビゼーの曲はどの曲も特徴的で人気があります。今日は、その中から7曲演奏します
1曲目『前奏曲』あなたがた兵士に乾杯しよう。有名な管弦楽曲です。
2曲目『プレリュード』第1幕前奏曲の後半部分です。このオペラの悲劇的なイメージです。
3曲目『アラゴネイズ』スペインのアラゴン地方の踊りです。 
4曲目『第3幕への間奏曲』牧歌的な落ち着いた音楽です。
5曲目『アルカラの竜騎兵』カルメンに会いに行ったホセの歌。
6曲目『ハバネラ』恋は野の鳥。誰も手なずけられない。
7曲目『ジプシーダンス』最初の旋律が徐々に盛り上がっていき、最後は豪快に終わります。